こんにちは。30代大企業サラリーマンDです。
新卒でビールメーカーに入社して、そこから再度大企業に転職。終身雇用が崩壊している現在においても10年以上大企業に勤めている私のことを、大企業に勤めていて羨ましいという友人が少なくないです。
この会話がある際に、大企業に勤めていることが本当に羨ましいことなのか?と思うことが私は多々あります。そのため、大企業に勤めている人を羨ましいと考えている人と実際に大企業に勤めている人が考えているギャップを言語化してみました。
なぜ大企業に勤めている人を羨ましいと考えるのか?
大企業は年収が高いという固定観念
まず考えられるのは、年収が高そうだからという理由です。
大企業に勤めている=年収が高いという固定観念を持っている方が多いと考えています。
実際に有価証券報告書を見て年収を調べている方は少なく、普段生活をしている中で社名を耳にする会社の給料は高いのではというステレオタイプで年収が高そうだと考えている人が多いと考えているからです。
例えば企業認知度が高い、食品メーカーでも知名度の割に年収が高くない会社はたくさん存在しています。知名度が高いけど、年収がそこまで高くない企業はこちらの平均年収が低いランキングを覗いてみてください。あの有名なお菓子の会社でも年収が高くない企業はたくさん存在しています。
ボーナスにおいても、安定的に収益を得ている電力会社で支給が見送られるケースもありました。(4年連続夏の賞与見送り)これらを考えると普段耳にする会社や安定している会社の年収が高いということは勝手な固定観念からきていると考えられます。
大企業なら潰れることがなく将来的にも安心
次に考えられるのは、会社が潰れることはなく将来的にも安心であるという理由です。
こちらに関しては、以前ブログに綴ったため参考にして頂けますと幸いです。
会社は倒産しなくても、人件費削減を目的に従業員数が減らされ45歳以上となると早期退職を促されるというのが最近の傾向だと分かります。つまり、会社自体は存続するけれども、従業員が定年まで勤めることが出来るのかは別の問題であるということです。
労働環境が良い
最後に考えられる理由としては、労働環境が良いです。
大企業であれば、残業代がしっかりと支給されて、労働時間も管理されワークライフバランスがしっかりと確保されていると考えられている方が多いと考えています。
長時間労働による精神疾患が原因となった電通での事件は記憶に新しいですが、大企業の労働環境が良いも固定観念だと考えられます。会社や所属している部署によって、サービス残業をせざるを得ない状況に追い込まれている方、土日も会社にばれないように資料を作成されている方、社内での出世競争を背景に休日に社内行事に参加している方。
このような方はごまんと存在しており、大企業だから特別に労働環境が良いということはないです。
大企業に勤めている人を羨ましいと考える人の理由まとめ
- 大企業は年収が高い。
- 大企業なら潰れることがなく定年まで安心して働ける。
- 労働環境が良い。
これらの固定観念が理由となり、大企業に勤める人は羨ましいという発言に繋がっていると考えられます。
実際に、リスクモンスター株式会社が調査した、第4回「隣の芝生(企業)は青い」調査 ~給料だけではない!羨ましいと思われる要素(ポイント)とは?の結果によりますと、「給料が高い」、「福利厚生が充実している」、「会社に安定性がある」、「休みが安定している」の順位で知人や友人の勤め先に対する羨望の有無が紹介されています。
次に実際に大企業で働いている私が上記3点に関してどのような考えをしているのかを記載致します。
実際に大企業で10年以上働いている私の考え
大企業は年収が高いに関して
若いうちの年収は高くなく、年功序列によりなだらかに上昇していくが現実です。
近年、年功序列ではなく成果主義の導入が話題になっていますが、会社の制度がまだ追いついておらず現時点では年功序列での賃金体系となっています。
そのため豪邸を建て、高級車に乗って、私服はハイブランド等、いわゆるお金持ちと言われる方の生活を送ることは夢物語で身の丈にあった生活となっています。
周りも見ても夫婦共働きでないと生活に余裕を持てないと言っている同僚や先輩も多く、大企業に勤めている人は贅沢ができるお金を持っているなんて事は決してないです。イメージとしては、月に数回飲み会に参加することはできますが、毎回高級店に行くことなんて無理というイメージです。
加えて、転勤により配偶者が仕事を辞めるというケースも多くあり、共働きで働く事が困難になってしまう場合もあります。そのため、共働き世帯と比較して世帯年収が少なくなってしまう事もあります。
大企業なら潰れることがなく将来的にも安心
こちらに関しては大企業に勤めていて、将来的にも安心と考えながら勤務している人は少数派だと感じています。
終身雇用の崩壊を背景に大企業からベンチャー企業に行く同僚や後輩も増えており、自分自身の市場価値を高めていかないと社内に残るにせよ、将来的に苦しくなると考えている人は確実に増えているからです。
一部、今の会社でのんびりと過ごしていきたいと考えている方もいますが、こういった方は危機感がなく会社にぶら下がっており、いずれ淘汰されると考えています。
労働環境が良い
これは部署によるが現実です。大企業だから労働環境が良いと言えるのでは無く、会社や部署によるというのが現実だと考えています。
また残業時間という目に見える労働ではなく、休日の組合での活動やゴルフコンペ等、労働時間では測れない会社内での活動が存在しているのも事実です。これらは出世を目指している人ほど参加率が高く、会社での生き残りをかけてある意味残業と言えると考えています。
つまり、出世競争’社内政治)に打ち勝つために残業をして成果を出す必要がある状況や土日も会社に関係する行事に参加する時も往々にしてあるのが現実です。毎日定時に帰ってのんびりと家族との時間を過ごすなんてことはあまり現実的ではないのかもしれません。
実際に大企業で10年以上働いている私の考えまとめ
- 歳を重ねないと年収は高くならない。
- 大企業なら定年まで安心だと考えて働いている人は少数。
- 労働環境は配属場所に影響を受ける。
大企業に勤められている方は、私と似た感覚をお持ちだと勝手に考えています。
存分に贅沢ができる程、年収は高くなく共働きが必要だと考えている。将来安心なんてことは全くなく日々市場価値を上げるために奮闘している。労働時間は配属場所によって変動が大きく、残業時間が多く精神的に疲弊している人も存在しており、大企業だから労働環境が良いってわけではない。だからこそ、友人に大企業に勤めていて羨ましいと言われてもあまり実感を持てないのだと考えています。
「大企業に勤めている人を羨ましい」と考える人が見落としていること
これからますます労働市場での競争が激しくなる
大企業に勤めている人を羨ましいと考えている人は、大企業に勤めている人が持っている危機感を察知出来ていないと考えています。
昔と異なり、大企業に勤めていれば安心だと考えている大企業勤めの人が減ってきており、市場価値を上げることを考えている人が増えているからです。
つまり、大企業に勤めている人が現状に満足せずに将来に向けて市場価値を上げるために活動している中で今後の労働市場において競争していく必要があるのです。
大企業に勤めている人を羨ましいと考えるのではなく、大企業に勤めていても実態は普通のサラリーマンであるため、いかに今後の労働市場で競争を自分優位にしていくかに焦点を当てるのが一番考えるべきことだと考えています。